マンションコンサルタントの手記 その4 非破壊検査

○○マンション管理組合  御中

RE:非破壊検査が必要な理由

非破壊検査が必要と考えた理由
○○建設(O氏)の話によれば、コンクリートをせき
止めを行う位置を5センチ程度間違えてしまった可能
性が高い。機械駐車場を据え付けようとしたとき、コ
クリートが出っ張っていたため機械駐車場設備を据
え付けることができなかったようだ。そのため、出っ
張った部分のコンクリートを壊したのだという。

大部分は鉄筋を隠す程度に修復したのだが、鉄筋が露
出している箇所については、時間もなく放置されてし
まった。

鉄筋の位置は、現在露出している箇所としてない箇所
で大きくは異ならないはずなので、鉄筋が露出してい
ない箇所についても、鉄筋のコンクリートに対する被
り厚(鉄筋の最外端からコンクリートまでの距離)は
40ミリを確保できていない可能性がたかいと考えられ
るのです。

この被り厚はコンクリートの耐用年数(参考資料参照)
に深く関わっているため、どの程度被り厚が確保され
ているのか確認したい。ただし、むやみに壊して被り
厚を確保するのも建物の維持管理の観点からは好まし
くないため、非破壊による確認が好ましいとかんがえ
るに至っているわけです。(○○建設 O氏同意済み)


参考資料
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 1.耐用年数の算定式
_______________________________________________


鉄筋コンクリート造の建築物に関して、耐用年数の
算定式なるものが、存在するのです。これは、日本
建築学会※が発表しているものですが、

Y=YsXAXBXCXDXEXFXGXH

Y:建物の推定耐用年数
Ys:鉄筋コンクリート造標準的な耐用年数で
60年とする
A:コンクリートの種類による係数
B:セメントの種類による係数
C:水セメント比による係数(65%:1.0, 60%:1.2,
  55%:1.5,,,)
D:鉄筋に対するコンクリートの被り厚さによる
  係数(20mm:0.25,
  30mm:0.56, 40mm:1.0, 50mm:1.56)
E:仕上げ材の種類による係数
F:コンクリートの施工方法による係数
G:建物の維持保全の程度による係数
H:地域による係数

※社団法人日本建築学会は,会員相互の協力によって,
建築に関する学術・技術・芸術の進歩発達をはかるこ
とを目的とする公益法人です。1886年明治19年)に
創立されて以来今日にいたるまで,わが国建築界にお
いてつねに主導的な役割をはたしてきました。
http://www.aij.or.jp/aijhomej.htm

参考文献;『建築物の耐久計画に関する考え方』
日本建築学
ISBN4-8189-0328-0

算定式は多くのの要素によってなりたっており、簡単
には説明をすることは難しいのですが、ここでは、こ
の式のなかで、係数Cと係数Dに注目していただきた
いと思います。

C:水セメント比
マンションのパンフレットの構造に関するPRのなか
に時々「水セメント比を50%に抑えている。。云々」
 という宣伝文句を見つけることができます。実は水
セメント比という物はコンクリートの品質を論じる上
で非常に大きなウエートを占める物なのです。技術的
な細かな説明はここでは割愛させていただくとして、
水セメント比の小さい物ほどコンクリートの品質は高
いと理解していただいてよろしいかと思います。 コ
クリートの調合をする上で、水セメント比はおおよ
そ、50%〜65%の間に納まるはずなのですが、
50%の物の方が品質は高いと考えられるわけです。

パンフレットのなかで、水セメント比を50%として
いるとの記述をみつけることができた場合、そのマン
ションは、コンクリートの品質にかなりこだわりをも
って計画されている建物であると理解できるのです。
水セメント比の低いコンクリートはひび割れの発生を
抑制するといわれています。

D:鉄筋に対するコンクリートの被り厚さ
被り厚さとは、コンクリートの表面から内部の鉄筋の
外形までの距離をいいます。建築基準法の中に細かい
規定があり、柱であれば、〜mm,壁であれば〜mmとい
う規定がされているのです。 設計者は最低限建築基
準法の規定は遵守することは当然なのですが、品質に
こだわる設計者あるいは施工者は多少の施工誤差を考
慮して、基準法の規定値プラス10mmとか20mmを確保し
て品質の向上に努めたりするものなのです。パンフレ
ットの中に、時々、被り厚の数値にこだ
わっている旨の記述がみられますが、コンクリート
品質へのこだわりの表れと理解することができるのです。

鉄筋コンクリート構造の建物は、鉄筋という錆びに弱
い材料を、コンクリートというアルカリ性の材料で覆
うことによって、鉄筋を錆から守る働きをしているも
のなのです。コンクリートは長い年月をかけて、アル
カリ性を失って中性化していくのですが、この中性化
の進行はコンクリートの表面からはじまり、徐々にコ
クリートの内部に進行していくものなのです。
そして、いわゆる被り厚の部分が完全に中性化してし
まうと、鉄筋は錆びはじめるのです。鉄筋コンクリー
ト建物の耐用年数の算定の基本は、このコンクリート
の中性化が内部の鉄筋の配置された位置の到達するま
での時間であるのです。コンクリート表面のひび割れ
は中性化を早める原因になります、そのため水セメン
ト比はなるべく低く設定したいわけです。

かなり、難しい内容になってしまいましたが、ご理解
いただけたでしょうか?


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